小学2年生「かけ算」単元計画(概略)例

ADDIEモデルによる指導設計

1分析(Analyze)

学級状況

2年生10名(知的障害の児童含む)。前単元で「まとまり」「分け方」を学習済み。

課題

繰り返し加算の理解に個人差。抽象的な場面では混乱あり。

対応方針

  • 給食・植物・机など身近な題材を使用。
  • 「まとまり」の意味を具体例で繰り返し確認。
  • 問い返しで思考を促す。

2設計(Design)

目標

  1. 同じ数ずつのまとまりを理解する。
  2. 繰り返し加算を掛け算に表せる。
  3. 九九表を作り活用できる。
  4. 生活場面で掛け算を使える。

単元構成(12時間)

  1. 掛け算の場面体験
  2. まとまりと式の意味理解
  3. 式への移行
  4. 九九表・暗唱活動
  5. 掛け算を使った文章題

学習活動例

  • 「2個ずつ配る」などの場面で式を考える。
  • おはじきでグループ化して図と式を対応させる。
  • 九九表づくり・リズム暗唱で定着。
  • 実生活をもとに問題作成・解決。

3開発(Develop)

教材例

おはじき・カード・九九表・タブレットアプリ・ワークシート・振り返りシート。

工夫

児童のつまずきに応じて教材を差し替え可能にする。

4実施(Implement)

授業の流れ

導入: 身近な場面から「まとめて数える」必要性に気づかせる。

展開: 具体物→図→式へと段階的に指導。

九九活動: 声・歌・ゲームを通して楽しく暗唱。

応用: 文章題で「たし算」「かけ算」の使い分けを考える。

支援

  • 困難な児童には具体物・図を多用。
  • グループでの助け合いを重視。

5評価(Evaluate)

形成的評価

ワークシート、九九暗唱、説明カード。

総括的評価

文章題解決と九九活用、自己振り返り。

教師の問い返し例

  • 「どんな場面で掛け算を使った?」
  • 「式の意味はわかった?」

6改善(PDCA)

Plan(計画)

児童の実態を把握し、個別支援計画を立てる。

Do(実行)

授業中に即時支援と調整。

Check(評価)

授業後の反応・成果を分析。

Act(改善)

改善点を次の授業へ反映。

まとめ

体系的設計により、児童一人ひとりに応じた最適な学習支援が可能となる。具体例と問い返しを軸に、理解と応用の両立を目指す。