なぜなぜ遊びとは、子どもが抱く素朴な疑問に対し、すぐに答えを与えるのではなく、**「どうしてだと思う?」「どうやったら分かるかな?」**といった問いかけを返すことで、子ども自身に考えさせ、答えを探求させる遊びです。このプロセスを通じて、子どもは因果関係を理解し、推論する力を身につけ、知的な好奇心を刺激されます。
なぜなぜ遊びが重要なのか?
なぜなぜ遊びは、以下のような点で子どもの成長に不可欠です。
- 知的好奇心の育成: 「なぜ?」という疑問は、新しいことを知りたいという根本的な欲求の表れです。この欲求を満たすだけでなく、さらに深掘りすることで、子どもは学びの楽しさを知ります。
- 論理的思考力の向上: 原因と結果、前提と結論といった論理のつながりを考える訓練になります。仮説を立て、それを検証するプロセスは、科学的思考の基礎を築きます。
- 問題解決能力の育成: 答えがすぐに見つからない状況で、どのように情報を集め、どのように考えるかという問題解決のプロセスを体験できます。
- 探求心と粘り強さ: 簡単に答えが出なくても諦めずに考え続けることで、探求心と粘り強さが育まれます。
- 表現力の向上: 自分の考えや推論を言葉にして伝える練習になり、コミュニケーション能力が高まります。
具体的な問いかけの例と解説
1. 身近な自然現象に関する「なぜ?」
例1: 「なぜ空は青いの?」
- 子どもが抱く疑問: 「空ってどうして青いの?」
- 大人の問いかけ:
- 「どうしてだと思う?何か関係があるもの、知ってるかな?」
- 「太陽の光と関係あると思う?ないと思う?」
- 「昼間と夜、空の色は違うけど、それはどうして?」
- 子どもの思考プロセス(期待される反応):
- 「太陽が出てるから?」
- 「雲がないから?」
- 「水の色が関係してる?」
- 大人の対応:
- 「面白い考えだね!太陽の光は、実は色々な色でできているんだけど、知ってた?」と、ヒントを提供しながら知識を広げる機会にします。
- 「光が空気の中を通る時に、散らばりやすい色とそうでない色があるんだよ。それはどれだと思う?」と、さらに具体的な問いで思考を誘導します。
- 最終的に「青い光が一番散らばりやすいから、空は青く見えるんだよ」という科学的な説明に繋げますが、その前に子どもが自分で考え、推測する時間を十分に与えることが重要です。
2. 日常生活のルールや仕組みに関する「なぜ?」
例2: 「なぜ信号は赤・青・黄なの?」
- 子どもが抱く疑問: 「なんで信号って赤・青・黄色の3つしかないの?他の色じゃダメなの?」
- 大人の問いかけ:
- 「もし信号が全部同じ色だったら、どうなっちゃうと思う?」
- 「それぞれの色には、どんな意味があると思う?」
- 「どうして、止まれが赤で、進めが青なんだろうね?」
- 子どもの思考プロセス(期待される反応):
- 「危ないから」「ぶつかっちゃう」
- 「赤は危ない色だから」
- 「遠くからでも見やすい色だから」
- 大人の対応:
- 「そうだね、赤は注意を促す色としてよく使われるね。消防車やパトカーも赤を使っていることが多いね。なぜだと思う?」と、関連する知識と結びつけながら深掘りします。
- 「信号の色は、みんなが安全に道を渡るために、世界中で共通の意味があるんだよ。みんながパッと見て分かるように、目立つ色を選んでいるんだね」と、社会的な仕組みやユニバーサルデザインの視点に触れることもできます。